【ヒトシゴトin やまぐち vol.44】BoLt&Nut 宮川秉英さん


現寸屋に革職人、更には飲食店経営者!?宮川秉英さんにインタビュー!

宮川さん(右)とスタッフの福山さん(左)

Megribaチャレンジショップに3度もご出店いただいた革製品工房「BoLt&Nut」の新店舗へお伺いし、宮川さんにお話を聞きました。

現在の活動、お仕事について教えてください。

はなぶさ未来設計という現寸屋と4年前から革製品の販売「BoLt&Nut」、1年前から徳地にある「ROOTS.」という飲食店経営をしています。ここのお店は、今年の1月にオープンしたばかりで、靴職人の福山店長にすべてをお任せしているんですよ。ROOTS.も社員にお願いしていて、味噌汁がメインのカフェになっています。ここの珈琲は、ゆめタウン下松に入っていたオリエンタル珈琲のブレンドコーヒーをそのまま受け継いで飲めるようになっているんです。これも人脈が繋いでくれたものになります。

現寸屋というお仕事を初めて聞いたのですが、業務について教えていただけますか?

現寸屋とは、鉄工業の一種です。建物の設計図を基に柱などを加工するのが鉄工所の役目ですが、その設計図をわかりやすくするのが現寸屋の仕事です。鉄工所は、設計図からどのような加工の鉄部品が必要か読み取ることに時間がかかり手間がかかります。そこを一つ一つここには、こういう加工の部品を何個…などとわかりやすく示すことで、鉄工所の手間を省くことが出来ます。この仕事を会社勤めから含めると20年近く行っています。

鉄工所への設計図を分かりやすく!なるほどです。とても重要なお仕事を担っていらっしゃるのですね。3種の様々なお仕事に挑戦しようと思ったきっかけと始めた経緯について教えてください。

始めようと思って始めたというより、人との出会いを通して自然に始まっていったという感じですかね。革の仕事も革事業を始める少し前に思いついて始めました。自分でどうにかしようと思ったのではなく、人を頼ってやっていこうと思って始めました。

出会いがお仕事になっていったという事ですね。現寸屋と革製品のお仕事は共通する部分はありますか?

革製品は、細かいディティールを設計するという点で、現寸の仕事と似ていると思っていて、扱う部品が、大か小か、鉄なのか革なのか、溶接かboltnutか、糸かボンドか。ちなみに、BoLt&Nutの由来はここから来ています。だからなのか、普通の革職人とは視点が違うみたいで、他にない革製品に仕上がっているようです。 この3年間はひたすら革職人として製品を作ってきました。大人気でオーダーをストップさせていただいた時期もありました。

宮川さんの革製品はMegribaのチャレンジショップでも大人気でしたものね。 Megribaのチャレンジショップを実際にご活用されていかがでしたか?

Megribaのオープン前から打ち合わせ、オープン前日のビニールがかかった床を踏んで、製品を納品した思い出があります。そこでたくさんのお客様に見てもらうことが出来ました。Megribaで見たという問い合わせが多く、この店舗もMegribaで出店したことがきっかけでオープンしようとなったんですよ。先日取材に来られたTV局の方もMegribaで見かけたことがきっかけで取材に来てくださったんですよ。本当に感謝しています。

こちらこそ、オープン初期から3度のチャレンジショップご出店、本当にありがとうございました。そんな宮川さんの今後の目標を教えてください。

目標はないんです。これをしたいと思うと自分が見えなくなってしまう。フラットにいたいんです。目立ちたがりだけど、目立ちたくない。自分が表に立たなくても、みんながより輝けるようにしていきたい。3つの事業をしっかりしたものにしていくのが、社長の仕事だと思っています。革製品も何百個と作り続けてきて、もう十分かなと思っています。製作から離れるのが目標かもしれませんね。BoLt&Nutも、スタッフの福山さんを中心に盛り上がっていってほしい。福山さんやこれから入社予定の子に革事業は引き継いでいきたい。私は全体を見るポジションになっていかないといけない。でも、私が何もしないのが無理なタチで長く考えるのが好きじゃないから動いてしまう。任せっきりにはしない程度に、経営者として動くようにしようと思っています。仲間(従業員)が輝いてくれることが僕の幸せで、仲間がどれだけ潤って幸せになれるかと考えていきたい。

目標がないというお言葉がとても素敵です。最後に、これから起業したいと考える方や、副業してみたいと思う方に、先輩起業家としてメッセージをお願いします。

みんな頑張りすぎ。がむしゃらにやり過ぎてもいいようにならない。押さえるポイントを押さえる。こうせんにゃーいけんで動くと上手くいかない。私のモットーは、適当で適切な所に当てていく。要所要所で力を抜き加減を調整して、頭の固い経営者にならないように、臨機応変にしてほしい。例えば、革事業だけでやっていきたいと思った時に、本当に革事業だけなのかをよく考えて欲しい。若い子はパワーが強い。リラックスしてやってほしい。人間24時間しかない。どこに力を注ぐか、24時間だらだらやるより、23時間寝てても、1時間しっかりやっていく方がうまくいく。

押さえるポイントを押さえる!とても重要ポイントですね!一人でやりすぎても続きませんもんね!

1人で頑張るより、周りを頼って欲しいです。経営者の方で、要領が良くないのに会社を維持している人っているんですが、すごいなと思います。周りが助けてくれるという意味で、人がついてくる経営者だということ。人望が厚いということだと思います。私もそうなりたい。他力本願でいきたいですね。

メグリバ編集後記


人を頼って一人で頑張らないと言われる宮川さん。その言葉は、私には「俺を頼って一人で頑張るなよ。」と他の方に言っているように聞こえました。とても尊敬できる経営者でした。

プロフィール :宮川 秉英(みやがわ かずひで)

平成27年 はなぶさ未来設計設立。

令和2年1月革事業を始める。

令和5年1月徳地カフェ「ROOTS」オープン。

令和6年1月「ぼるとあんどなっと」オープン。

HP:https://www.boltnut.jp

Instagram:@boltnut8723

      @roots.tokudi

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