【イノベーティブ!YAMAGUCHIビジネスプランコンテスト2024 出場者へインタビュー】vol.1 勝矢圭一さん


『Sマイル介護』 カメラを活用した「書かない記録システム」に着目したビジネスプランで大賞を受賞! 勝矢圭一さんにインタビュー!

イノベーティブ!YAMAGUCHIビジネスプランコンテスト2024で大賞を受賞された勝矢さんにお話を聞きました。

この度は、素晴らしいビジネスプランをご発表くださり、ありがとうございます。どのようなビジネスプランだったのか、皆さんにもお伝えしたいので、教えてもらえますか?

私のビジネスプランは、カメラを活用した「書かない記録システム」です。カメラを活用してありのままを撮影し保存します。そして保存した映像データから必要な情報を抽出するための検索機能があって、また必要に応じて映像をテキスト化するというものです。

この撮影、保存、検索、テキスト化をひとつのパッケージとして提供したいと考えています。

そして、本業が介護事業であることから、医療福祉独自のオプションとして笑顔計測機能も付加しようと考えています。介護現場の場合、ケアの様子を撮影すれば自ずとご利用者の表情が映りますので、私たちのケアによって表出されたご利用者の笑顔をカメラで自動カウントし、このポイントをスタッフに商品券等で還元しようというもので、スタッフのエンゲージメントを高めることを目的にしています。

介護の現場では、記録という仕事に膨大な時間が取られますよね。それが解消されるのですね。そのビジネスアイディアが生まれたきっかけや、エピソードなどあれば教えてください。

高齢者虐待の予防に着想を得ました。これを予防するために研修等の教育を行いますが、その限界を常々感じており、仕組みとして解決する方法がないかと考えた結果、防犯カメラ的にカメラで抑止する方法を考えつきました。ただ、カメラで監視して押さえつけるように予防しても、高齢者虐待の根本的な解決にはなりません。そこで虐待の要因を探ったところ、「ストレスと人員不足」が背景としてあることを知り、介護現場の課題のひとつである記録作業の負担を無くせば、これらの解消にも繋がるのではないか考えました。こういった過程を経て「書かない記録システム」に行き着き、そしてもっと楽しく人員不足を解消する方法がないかと考え抜いた結果が笑顔計測機能を用いたSmile to Earn です。

高齢者虐待をなくしたいという想いから職員のケアまで考えられているのですね。普段はどのようなお仕事をしていますか?

普段はLIFE・DESIGN株式会社の代表という立場で、長崎市内で3つの介護施設を経営しています。また、昨年からスリランカで介護人材育成のための日本語学校の運営と、他には県内外でのコンサルティングや講演活動をしています。依頼があれば介護系の書籍等への執筆もさせていただいております。

海外まで手広く展開されているのですね。今回のイノベーティブ!YAMAGUCHIビジネスプランコンテスト2024に出場しようと思ったきっかけを教えてください。

このプロダクトは介護業界だけでなく、あらゆる業界や産業でもニーズがあると思っていて、私が調べた限りにおいては、撮影、保存、検索、テキスト化のそれぞれの技術は存在していても、それをパッケージにしたものはなく、これが完成し普及すれば世の中が変わるのではないかと妄想し、ビジネスコンテストを通じて社会に問いかけてみようと思いました。そして、もし共感いただいて協業や出資していただける企業様があればいいな…という思いからです。

このビジネスプランコンテストで、山口の企業とも今後協業していこうというお話が生まれましたよね! 長崎にいらっしゃる勝矢さんが山口でのビジネスプランコンテストに参加しようと思ったきっかけ、また、山口の印象などがあれば教えてください。

コロナ禍以降はご無沙汰しておりましたが、もともと山口県には、講演や研修でよく伺っておりました。また、ニューヨーク・タイムズ紙が発表した「2024年に行くべき52カ所」で、山口市が3番目に選ばれたということを報道で知ったこともあり、これをきっかけにエントリーしてみようかと思いました。今回、ピッチが終わった後に少しだけでも観光をとも思っていましたが、長崎の自宅に財布を忘れて無一文で来訪してしまったために、次回あらためてゆっくりお伺いしようと思っています!

無一文で来訪!?それは、大変でしたね。ぜひ、今度はお財布を持って山口に観光に来てください。最終審査会に参加された感想を教えてください。人前で話すのはいかがでしたか?

介護系の講演等は慣れているのですが、こういった短い時間の中で伝え、共感をいただくには、情報の取捨選択が必要になってくるため、その精査が非常に難しいと感じます。私が伝えたいことと、審査員に刺さる情報が必ずしも一致するとは限らないので…。そして何よりも、制限時間の恐怖、時限爆弾を背負ってプレゼンしているような独特の感覚は緊張というありきたりな言葉では言い表せない緊張感でした。

また、私のような完全にシードの状態にあるプランと、ローンチしたプロダクトが同じ土俵で勝負するっていうのは違うような気もしました。

確かに、勝矢さんのプランは今から温める卵というよりは、羽化寸前の卵でしたよね。でも、だからこそ、他の方々にとってとても良い刺激になったと思います。最後に、今回の「イノベーティブ!YAMAGUCHIビジネスプランコンテスト2024」に出場して出来た、今後の目標や、今後挑戦したい事などを教えてください。

必ず実現するという気持ちがさらに強くなりました。1年以内にプロトタイプの完成を目標に頑張ります。また、せっかく山口で大賞という評価をいただきましたので、山口の地場の企業様との協業も視野に入れ活動していきたいと思います。そして、そのサポートをいただくためにMegriba様とも情報交換させていきながら進めていきます。

Megribaスタッフ一同、『Sマイル介護』の実現応援しています!山口市で新たなビジネスが生まれると嬉しいです。本日はありがとうございました。

勝矢 圭一(かつや けいいち)

1974年2月生まれ 

LIFE・DESIGN株式会社 代表取締役

社会福祉士・主任介護支援専門員・パーソナルアナリスト1級 他

1997年、長崎市内社会福祉法人にて在宅介護支援センターに従事する傍らグループホーム等の厚労省モデル事業参画。2001年、調剤薬局を母体とする民間企業へ転職し、介護事業の企画と新規開設を担当。また、そこに在籍中、3年間の長与町役場への出向や国立病院連携室の立ち上げにも従事。さらには、2009年度長崎県介護支援専門員資質向上事業研修も受託し開催。2010年8月より現職。長崎市内にてショートステイ30床、小規模多機能、有老ホーム、スリランカでの日本語学校を運営。その他にコンサルティング、研修教育事業。各種セミナー講師、複数の医療法人、社会福祉法人等の役員。介護系書籍等への執筆多数。

HP:https://life-des.com